[7]きれいになれるEssay集

「美のしらべ」(毎日新聞00.01.12)
『香りのお洒落』
ジャスミン、カトレア、ダージリン。私の好きな三つの代表的な香調である。
香りは、欧米では「他人を惹き付けるためにつける」といわれることもあるようだが、私は「自分が楽しむこと」が目的である。香りは、ある程度距離が近づいてこそ感じられるもので、日本人のライフスタイルの中では、ごく個人的なものと位置づけられるのではないだろうか。もちろん、他人に不快な印象を与える香りの使い方は問題外だが、自分の好きな香りを使うことが基本である。
香水は、その香りを直接味わっているときと、体につけたときとでは、印象がちがうことが多い。つけた人の肌の温度や湿度が微妙に香りを変化させるのだ。私の場合は、まずまちがいなく甘めに香る。クールなものも柔らかく、温かく、そして軽く変わる。だから、もともと甘い香りや温かい香りよりも、少しすっきりした香りの方が、つけたときの香り立ちが良い。流行りの香りの中でオリエンタルなバニラや、フルーティノートは、残念ながら似合わない。例外はお茶の香り。お茶がブレンドされると、私の肌の上でも、たちまちリラックスできる香りに変わるから不思議だ。
だから、ジャスミン、カトレア、ダージリン。
ジャスミンは、女性用フレグランスには欠かせないフローラル系の香料で、バラと並んで重要な香りとされている。バラは前に出る感じがあるけれど、ジャスミンは優雅なのに控えめで、私の肌になじんでくれる。カトレア(蘭)も同じく、品格のある香りだけれど清々しさも感じられて、意外にさっぱりしているので、少々甘めに香ってもいやみがない。ダージリンは、どんな人にも好評で、グリーンティと並んで、爽やかで日常使いできる香りである。これらの香りは、私自身が好きな香りであると同時に、周りの人から、「私のイメージに合っている」と評されることが多い。
香りは、肌との相性に加え、ファッションやメイクなどその人のイメージを創るトータルなバランスの中での役割を踏まえて選ぶことが大切である。単に好きな香りというだけでなく、自分を引き立ててくれる香りを見つけること。たくさんの香りを実際に使ってみて、香りの変化や雰囲気がつかめれば、気分やイメージで香りを纏えるようになるのではないだろうか。温度・湿度が低い今の季節は、いろいろな香りを試すチャンスである。
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