[7]きれいになれるEssay集

「美のしらべ」(毎日新聞00.04.12)
『透明感のある素肌づくり』
「美しい素肌」というとき、思い浮かべるのは、赤ちゃんの肌である。
柔らかく弾力をおびて水分を含み、手触りはすべすべ。まだ外気からのダメージを受けていない肌は透き通るように美しい。それが、年齢を重ねるごとに、ダメージも積み重ねて、生まれ持っていた肌の美しさを少しずつ失っていくのである。
若い頃は何もしなくても肌がきれいだったという人も、三十歳を過ぎるころから、そうはいかないということに気づき始める。シミ、シワ、くすみ、たるみ、乾燥。トラブルが目に見えて初めて、スキンケアをしなくては、と思い立つ人がとても多い。少しでもトラブルを解決したいと懸命である。
そんな女性の願いを追いかけるようにして、次々と機能性豊かな化粧品が登場している。一時期は、トラブルの対象を一点に絞った対策型化粧品が注目を集めていたが、最近は、トータルなケアを目的としたものが揃ってきた。トラブルを解決するためには、肌のコンディション自体を改善することが大切であるということに、化粧品を使う女性たちも気づいてきたのだろう。たとえば、シミをなくすためには、「肌を白くする」機能を持った化粧品を使っただけでは、なかなか思うような効果が得られない。肌の水分・油分のバランスを整えるという土台整備があってこそ、いわゆる「美白」の効果もあがる。
だからこの春は、肌を白くする効果の高い「コウジ酸」を配合したホワイトニング化粧品に保湿効果のある植物性のエッセンスをプラスしたり、マッサージで肌の活性をあげることでホワイトニングの効果を倍増させたりといった二重三重の機能を与えられた化粧品が期待を集めている。「ビタミンC」の美白効果と天然酵母の発酵過程で生み出されるエッセンス「ピテラ」の肌のバランスを整える効果に加え、肌の奥深くにまで浸透させる機能により効果を高めようとする SK-IIディープホワイトニングのように、使用感が非常に良く、使うこと自体を楽しめる化粧品も登場する。
白いだけでなく手触りが良い赤ちゃんのような素肌をめざして、女性たちは美白に励む。流行りだからではない。かつての透明感のある肌を取り戻すために。紫外線量のピークを迎えるのは、まだこれからである。
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