[7]きれいになれるEssay集

「美を奏でるもの」『学習だより』2000年夏号日本理容美容教育センター pp26-29
マンハッタンを歩くと、いろいろな顔に出会う。骨格も違うし、肌の色一つをとってみても、そのヴァリエーションは驚くほど多彩だ。外見に現れるちがいに加え、少し話をしてみると、さらに個性に幅があることがわかる。世界中の人種が集まり、性別、年齢差、言語、文化も超えて共存する社会。多種多様なものが混ざり合う場所「メルティング・ポット(Melting Pot)」がそこに在る。
私は、一昨年、ニューヨークで一年間生活する機会を与えられた。その間、最も印象的だったのは、そこで出会った「美しい」人たちが、それぞれが全く別の美しさを持っていたことである。しかも、お互いを認めあい共感しながら自分を表現する、包容力のある美しさ。「美」には制限などないのだと実感させられた。
そもそも「美」の基準は、「善悪」や「合否」の基準のように客観的あるいは機械的に決められるものではない。たとえば、日本の人気女優のランキングで必ず上位にあがる中山美穂さんと松嶋菜々子さんでは、顔の造りもスタイルも全く異なるが、どちらも「美しい」と評される。あえて共通点を探すとすれば、「自分をよく知っていてそれを表現することが上手」ということになるだろうか。何かの枠に当てはめて語ることはできないのが「美」なのである。
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その2