「私流・美しい人の条件」-4
「ポジティヴ」に生きるために必要なことの一つは、物事のエッセンス(本質)をよく知ることです。自分を知る、メイクの効果を知る、ファッションの意味を知る。知っていなければ何も意思決定できないのは当たり前のことですが、表面的なことだけでなく、そのエッセンスを的確に捉えられれば、柔軟な見方ができるようになります。そのことにより、誰に対しても長所を見て接する、どんなできごとにも諦めない、といった対応が可能になります。エッセンスをきちんと捉えているからこそできることです。「ポジティヴ・シンキング」はエッセンスを知ることから始まります。
もう一つは、バランス感覚を磨くこと。バランスといっても、アイメイクとリップメイクのバランス、お洋服と靴やバッグのバランス、といった局所ごとのバランスはもとより、メイクとファッションのバランス、自分と相手とのバランス、自分のファッションとこれから自分が置かれる場面とのバランスに至るまで、さまざまです。美しくあるためにはあらゆるバランスを考えた上での「ポジティヴ・シンキング」が必要なのです。
ある女優さんは、食事に行くとき、まずそのレストランに電話をして壁の色を聞くのだそうです。つまり背景の色に合わせて、お洋服の色を考え、自分が最も美しく見える装いで出かけるための一手間です。レストランでは、ひざの上に白いハンカチを広げ、暗いライティングの下でも顏に光を集めて表情が美しく見えるように工夫します。また、同行される友人とのバランスも大事で、フォーマルからカジュアルまで、テイストが外れないようにと気を遣うとのことです。これは女優さんだから特別なのではありません。「美しい人」がどれほどまでにバランスにこだわるかを示す一つの例といえるでしょう。相対的に何かを決めるということではなく、あくまで、与えられた状況のもとで最も自分を美しく見せるためのバランス感覚なのです。
このように、内面の輝きが、美しさの大きな要素になるとすれば、「美人は三日で飽きる」という言葉は的を得ていないことがわかります。もちろん、三日で飽きる程度の美しさもあるでしょう。でも、本当に「美しい人」というのは、飽きるどころか、もっとその人のことを知りたくなるほどに奥深い魅力がある人ということになります。そういう意味では、年齢が若ければ美しいともかぎりません。
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